
アパートを売るときは、不動産としての賃貸中の物件における家賃収入や建物の状態、査定に必要な費用など、さまざまな情報を整理・理解しながら進める必要があります。
気持ちだけで進めると、売却価格が下がったり取引が遅れたりするおそれがあります。
この記事では、アパート売却を成功させるための流れや税金対策、相場の見極め方法、相談するおすすめ業者の選び方などを解説します。
アパート売却の全体の流れを知り、事前の準備を整えることで、安心して売却を進めましょう。

アパートのような収益物件の価格は、一般的な住宅と異なり、将来どれだけの利益を生み出せるかという視点から算出されます。

アパートなど収益物件の売却相場を見極める際に、広く用いられる手法が「収益還元法」です。
将来その不動産から得られる家賃収入などの純収益を基に現在の査定価格を算出する方法で、「収益性=価値」という視点で物件を評価・見積もりします。
たとえば、年間の純収益(年間家賃収入から管理費や修繕費、仲介手数料等の経費を差し引いた利益)が100万円で、期待利回り(還元利回り)が5%であれば、物件の評価額は100万円÷0.05=2,000万円となります。
純収益は、単純な家賃総額ではなく、ローン返済費用や税金、手数料といった運営コストを控除して算出する点が重要です。
特に木造で老朽化が進んだ中小型アパートの査定には、1年間の純利益と還元利回りで計算する直接還元法がシンプルで一般的です。
計算式・手順: 収益価格=年間純利益÷還元利回り
還元利回り(キャップレート): 投資家が期待する収益率で、立地や築年数、物件の古い状態によって異なり、賃貸一棟ものでは5~8%程度が目安です。
要素 | 概要と価格への影響 | 売主が整理すべきこと |
収益性(家賃・経費) | 家賃収入から管理費、修繕費、固定資産税などの運営コストを控除した純利益が価格に直結します。 | 経費明細やレントロール(賃貸条件一覧表)を整理し、適正な純収益を提示する。 |
立地条件 | 駅からの距離、周辺環境は還元利回りに反映されます。都心好立地ほど利回りが低く(=価格が高く)、郊外ほど利回りが高くなります。 | 周辺の家賃相場や平均稼働率を調査し、利回り設定の妥当性を検証する。 |
法的整理状況 | 建築基準法違反、未登記増築、相続登記漏れ、境界越境など、法令上の問題は買主のリスクとなり、値下げ要因になります。 | 事前に専門家による調査を実施し、問題があれば是正計画や見積もりを用意して安心材料とする。 |
耐震性 | 旧耐震基準の建物は買主から敬遠されます。 | 可能な範囲で**建物調査(インスペクション)**や耐震診断の情報を整理する。 |
副収入 | 屋上アンテナ、自動販売機、看板料などの家賃以外の収入も利益を増やす大切な材料です。 | 契約内容や支払いの相手、撤去費用などを一覧にまとめる。 |
アパートの価格は、感覚ではなく、家賃からどれだけ利益が出るかを数字で計算して決められます。このプロセスを理解することが、適切な価格設定の第一歩です。
売却価格の基礎となる「収益性」を計算する主要な3つのステップです。
年間の家賃収入を計算する
ポイント: アパート満室想定ではなく、現在の入居率に基づいた、実際に近い家賃の合計額(アパートの「稼ぐ力」)を算出します。過大評価は、後の価格交渉で信用を落とす原因になります。
経費を引いて「手残りの利益」(純利益)を出す
ポイント: 管理費、修繕費、固定資産税など、支払いが続く支出を正確に控除します。買い手は純利益を基準に価値を判断するため、経費の計算が雑だと、将来の追加費用が見込まれ、値下げにつながるおそれがあります。
残った利益を利回りで割り戻して価格を出す
ポイント: 算出した純利益を、市場の相場に合わせた還元利回り(キャップレート)で割って収益価格を決定します。利回りの基準を無視した価格設定は、売れ残りの原因となります。
収益性の計算に加え、物件の客観的な条件を整理することで、買い手の安心感が増し、評価額に反映されます。
立地や築年数などの条件を整理する:
アパートを売るときには、いくつかのポイントがあります。まず、駅から近いかどうかや建物が新しいかどうかは、買いたい人にとって安心できるかどうかに関係します。駅に近くて新しい建物は、より高く評価されることが多いです。
逆に、古い木造アパートや駅から遠い場所にあるアパートは、修理にお金がかかったり、売るときに税金がかかったりするので、利益が減る可能性があります。そのため、売る時期をよく考えて、適切な価格を設定することが大切です。駅に近くて新しい建物は高く評価されますが、古くて不便な場所にあるアパートは修理の心配があるため、評価が低くなりがちです。そのため、アパートの条件に合わせて価格を調整する必要があります。
耐震をチェックする:
築年数が古い建物の場合、耐震の状態が重要視されます。建物の図面を確認し、必要に応じて建物調査(インスペクション)を検討することで、買い手からの「安全性が見えない物件」という判断を避けられます。
建物や土地の法的状態を確認する:
権利関係や法令上の問題を事前に整理することが、取引の遅延や価格低下のリスクを軽減します。
建物が法律に合っているかを確認する: 古いアパートでは、建ぺい率や容積率が今の基準に合っていない場合があります。役所で図面を確認し、問題がないか整理しましょう。
未登記の建物や設備を整理する: 物置や階段などが未登記の状態だと、融資が難しくなることがあります。売る前に登記の状態を整えておきましょう。
私道や通路の持分・使用許可を確かめる: 私道に面している場合、通行や工事の許可を書類で整理し、将来のトラブルリスクを軽減できます。
隣地との境界や越境を整理する: 塀や屋根が境界を越えていないか確認し、越境があれば測量や話し合いで整理することで、買い手の安心感を高めます。
家賃以外の副収入を整理する:
屋上アンテナ、自動販売機、看板などの家賃以外の収入も、実際の利益を増やす大切な材料です。契約内容や支払いの相手を一覧にまとめて提示することで、収益の全体像を明確にし、買い手からの信用を高めます。

売却をスムーズに進めるためには、事前の準備と計画的なステップが必要です。
ステップ | 内容と成功のポイント |
1. 不動産会社に査定を依頼 | 収益物件に強く、地域市場を熟知した複数の会社(5~6社推奨)に査定を依頼し、適正価格の幅と査定根拠(利回り)を確認する。 |
2. 仲介業者を選定 | 査定結果、販売戦略、投資家ネットワークなどを比較し、信頼できる一社と媒介契約(専任・専属・一般)を結ぶ。 |
3. 売却価格の決定 | 査定結果を参考に、売主の希望と市場で実際に売れる金額のバランスを取る。高すぎると売れ残る原因に。 |
4. 販売計画の策定 | ターゲット層(投資家か、自用目的か)を明確にし、利回りや再生ポテンシャルなど、物件の魅力を最大限にアピールする計画を立てる。 |
5. 買い手を探す | ポータルサイトや投資家ルートで募集を開始。内覧時には、収支データや修繕履歴をすぐに提示できるよう準備する。 |
6. 交渉 | 価格だけでなく、引渡し時期、付帯設備の扱い、賃借人の承継条件なども交渉。物件のプラス材料をデータで示し、交渉を有利に進める。 |
7. 契約を結ぶ | 買主より手付金を受領。重要事項説明を受け、契約不適合責任や告知事項(滞納、不具合など)を明確に記載する。 |
8. 引き渡し・決済 | 司法書士立会いのもと、残代金を受領。所有権移転登記を行い、鍵や物件書類一式(賃貸借契約書原本など)を買主に引き渡す。 |

アパートを売るときは、建物の状況や入居の状態によって進め方が変わります。
ここでは、代表的な次のケースを取り上げます。
入居者がいる場合
空室が多い場合
売却で利益が出る場合
以下からは、3つのケースを順番に見ていきましょう。
入居中の部屋があるまま売却する方法を、投資家の間では「オーナーチェンジ物件」と呼びます。
家賃収入を引き継げるため人気ですが、家賃や契約内容に食い違いがあると買い手の信用を失いやすくなります。
次の準備をしておきましょう。
整えておくもの | 内容 |
契約書・レントロール・修繕記録 | 家賃や契約内容に食い違いがないようにそろえる |
敷金や未収金の整理 | あとで「誰が負担するのか」で揉めないよう事前に取り決める |
サブリースや管理の引き継ぎ条件 | どこまで同じ契約を続けるかを明確にしておく |
入居者への説明 | 売却後の連絡先や振込先を丁寧に伝えて安心していただく |
こうして整理しておけば、買い手に「すぐに収益を引き継げる物件」と感じてもらえます。
賃借人付きのまま物件を売却するケースでは、安定した家賃収入の引継ぎが最大のアピール材料です。
満室または高い入居率を維持しているなら、その実績データを提示し「購入後すぐ収益が上がる物件」として投資家にアピールできます。
売却前に可能な範囲で賃料滞納や契約内容の整理を行い、買主にとって不安材料を減らしておきましょう。
たとえば、賃貸借契約書の整備(契約期間や敷金精算条項の明示)、長期滞納者がいる場合は解消交渉を行うなど。
入居者には売却が決まった段階で速やかに通知し、オーナー変更後の連絡先や家賃振込先変更を案内しましょう。
居住者付き物件は実質利回りで評価されるため、売主としては現行賃料が相場とかけ離れて高すぎないか、逆に安すぎないかも点検しましょう。
低い場合は更新時に適正化交渉するか、空室が出た部屋で賃料改定を行い、収益改善の余地を示すのも戦略です。
一方、入居中のまま売るデメリットは、自用目的の買主(自分で住みたい、建替えたい方)にはアピールできず、購入者層が限定される点です。
築古で土地売りしたい場合などは、立退き交渉をして空室渡しにした方が高値になるケースもあります。
この判断は物件の用途価値によるため、仲介業者と相談して決めましょう。
空室率が高かったり全戸退去済みのアパートを売却する場合、現状の収益力が低いため一見不利に思えます。
まず売却前に、次のような点を整えておきましょう。
整える項目 | 内容 |
小さな修繕や家賃の調整 | 見た目を整えて入居率を上げる土台をつくる |
消防設備や貯水槽の点検記録 | 管理がきちんとしていると伝わり安心して検討しやすくなる |
光熱費やガス契約の整理 | ランニングコストを買い手が正確に判断できるようにする |
空室を逆手に取った提案も可能です。
たとえば、「改善後の収益シミュレーション」を資料として用意し、空室をリフォームして平均稼働率並みに埋めた場合に年間収入がどれくらい向上するかを示せれば、現状だけで評価額を下げられるのを防げます。
具体的には、周辺の競合物件の平均入居率や家賃相場を調査するなど。
自物件が適切な賃料設定やリノベーションによりその水準に達したとき、想定される満室時収入や経費圧縮効果を、数字で提示しましょう。
こうすることで「現状は空室が多いが、○○の施策で収益アップが見込める物件」として将来性(再生ポテンシャル)を買い手にアピールできるのです。
空室だらけの物件は敬遠されがちですが、裏を返せば買主が自由にリフォームやテコ入れできる余地があるともいえます。
最近では「空室=マイナス」ではなく「空室=伸びしろ」として評価してもらう考え方もあります。
ただし、金融機関の融資審査上は現在の収益に基づくことが多いため、融資利用の買主にはシミュレーションだけでなく具体的なテナント募集計画など裏付けも示してみてください。
また、空室が多い物件の場合、思い切って一括借上げ(サブリース)契約を締結し、一定の賃料保証を付けた形で売却する方法もあります。
サブリースによる安定収入が見込めれば、買主にとって融資を引きやすくなるメリットもあります。
ただし、サブリース料は相場賃料の9割前後になることが一般的で、その分価格に反映される点には注意が必要です。
物件売却による利益の有無も、売主のスタンスに影響します。
税金や精算のトラブルを避けるために、次の点に注意しましょう。
確認項目 | 内容 |
所有期間と税率 | 5年以下は短期譲渡(税率が高い)/5年超は長期譲渡(税率が低い) |
経費・減価償却の整理 | 税理士に相談して手残り額を正確に把握する |
固定資産税などの精算 | 契約書に明記し、あとで揉めないようにする |
大きな売却益が見込める場合、できるだけ税負担を減らすよう計画しましょう(前述の長期譲渡所得化や経費計上の最大化など)。
たとえば、決済時期を年末年始で調整し譲渡所得が出る年をずらす、あるいは他の不動産購入とタイミングを合わせ買換え特例の適用を検討する(一定の事業用資産の買換えで課税繰延べが可能な制度)なども挙げられます。
税理士にシミュレーションしてもらい、手取り額の最大化を図ってみてください。
一方、売却益がほとんど出ないか赤字覚悟のケースでは、迅速かつ確実に売り切ることを優先する戦略が考えられます。
たとえば、空室や老朽化が深刻で、毎月の持ち出し(自己資金からの毎月不足分の補填)が大きい物件では、多少割安でも早期に現金化した方がトータルで得策な場合もあります。
こうしたケースでは、一般の買主への仲介売却だけでなく不動産買取業者への直接売却(買取保証の利用など)も視野に入れ、確実な出口戦略を検討しましょう。
買取業者相手なら、瑕疵担保責任免除で現状有姿のまま売却でき、煩雑な手続きを省けるメリットがあります。
ただし、買取価格は市場価格より低め(7~8掛け程度)になるため、「仲介で一定期間売ってみてダメなら、買取に切り替える」などの計画を立てておくと安心です。
また、残債が残るケースでは売却代金でローン完済できるか事前に精査し、不足するようなら自己資金手当てや金融機関との相談も必要です。
ローン残高次第では任意売却(債権者の同意を得て残債ありで売却)も視野に入りますが、信用情報への影響もあるため最終手段となります。
いずれにせよ、売却益の有無によって「時間をかけてでも高く売る」か「多少安くても早く売る」かといった優先順位のつけ方が変わります。
自分の利益計算を把握した上で目標価格と期限を設定し、戦略を練りましょう。

アパートを早く、そしてできるだけ高く売るためには、気持ちだけで進めるのではなく、次のような数字や記録に基づいた準備が欠かせません。
家賃や入居率のデータを整理する
過去の修繕履歴などを整理する
周辺エリアの利回りや取引事例を調べる
金利やローン動向を把握する
有害物質や過去トラブルの有無を開示する
ここからは、買い手から信頼される物件に整えるための重要なポイントを詳しく整理します。
まず、アパート経営の収支に関するデータを整理しましょう。
具体的には現在の家賃収入(月別・部屋別の賃料)、過去数年の入居率推移、直近の空室期間などの情報です。
それぞれ、購入検討者が物件の稼働実績や収益安定性を判断する材料となります。
特に、過去の入居率や空室率は、平均的にどの程度の稼働を維持できている物件かを示す指標です。
一般に適正空室率は5~10%程度といわれ、それを上回ると収益低下要因として評価減につながります。
したがって、高い空室率が続いていた場合は、理由(賃料設定が高すぎた、立地に課題があるなど)も含めて整理し、改善策の有無も考えておきましょう。
逆に安定高稼働を維持していたなら、裏付ける稼働実績データ(各年の平均入居率グラフなど)を用意し、物件の強みともできます。
収支関連では、家賃滞納や未回収がないか、あれば金額や期間もリスト化しましょう。
また、年間の支出内訳(管理委託料、修繕費、水道光熱共用費、火災保険料、固定資産税など)も直近数年分まとめておきましょう。
買主も実質利回りを正確に把握でき、安心材料となります。
Excel等で収支表を作成し、必要に応じて開示しましょう。
土地・建物の権利関係書類(登記簿謄本、公図、測量図、建物図面)は基本ですが、それ以外にも建築当時の確認済証・検査済証、設計図書があれば用意しましょう。
特に古い建物では、検査済証の有無が融資可否に関わることもあるため重要です。
さらに、修繕履歴やリフォーム記録はできる限り揃えましょう。
何年に屋根や外壁塗装を実施、どの部分の設備を交換済みか、といった履歴があると建物状態の説明材料になります。
大規模修繕や耐震補強工事を行っていれば、その報告書や写真なども有益です。
「長期修繕計画書」を独自に作成している場合は、提示すると買主の安心感につながります。
また、法令関連の資料も整えておきましょう。
用途地域や建ぺい率・容積率などは登記簿等で確認できますが、重要なのは現況が法的に適合しているかを示す情報です。
たとえば、増改築している場合は増築登記がされているか、用途変更していれば用途変更の確認届がなされているか。
もし既存不適格(昔の基準では合法だが現在の基準には適合しない状態)であれば、正直に伝える準備をしましょう。
さらに、土壌汚染や埋設物といった調査結果があれば用意し、アスベスト使用調査記録があれば併せて提供してください。
こうした書類一式をファイリングして、デューデリジェンス資料のような形にまとめておくと、買主や金融機関からの信頼度が上がります。
「書類をきちんと揃えている物件=管理状態が良い」という印象を持ってもらえるからです。
上記のデータ・資料は「聞かれたら出す」のではなく、こちらから積極的に提示する姿勢が高値売却のために大切です。
たとえば、物件紹介資料に収支表や稼働率グラフを盛り込み、内覧時には修繕履歴や法令適合状況の説明資料を用意するなど。
開示すべき情報を網羅して提示すれば、買主は不安材料が少なく交渉に前向きになります。
「出せる資料は全て出す」という透明性は、価格交渉で主導権を握る助けにもなります。
逆に情報を小出しにしたり隠したりすると、買主は警戒して慎重になり、場合によっては取引を敬遠されかねません。
不利になりそうな欠点(築年数なりの設備老朽化や過去の雨漏り修理歴など)も、先に正直に伝えた上で「すでにこのように対処済み」「価格に織り込み済み」と説明すれば大きな問題には発展しません。
契約不適合責任の観点からも、物件状況報告書や告知書にて既知の不具合は漏れなく開示することが大切です。
買主との信頼関係を築くことでスムーズな契約締結・引渡しにつながり、結果的に満足いく売却の成功確率が高まります。
近くで売れたアパートの利回りや売却金額を知ることで、今の相場に合った価格を決められます。相場より高すぎると長期間売れず、安すぎると大きな損につながるため、数字に基づいた判断が必要です。
相場を知らないまま強気の価格を付けてしまうと、数か月たっても反響が少なく、最終的に大きく値下げすることになりかねません。
適切な数字を根拠にして売り出した方が、早く・納得できる形で売却に結びつきます。
買い手が使うローンの金利が上がると、出せる金額が下がりやすくなります。
そのため、金利の流れを見ながら説明資料や価格設定を考えることが大切です。
金利が上がる時期に強気の価格を付けてしまうと、買い手がローン審査に通りにくくなり、申し込みが減るおそれがあります。
買い手が現金や自己資金の多い層なのかを意識した見せ方を工夫すると、売れやすくなる場合もあります。
アスベストやPCBの有無、近隣との問題、過去のクレーム対応など、評価を下げそうな情報も丁寧に整理して伝えることが重要です。
隠したまま売却を進めると、契約の終盤で発覚して取引が中止になることがあります。
たとえば、過去に起きた雨漏りを隠して契約すると、後から買い手から損害請求をされる可能性があり、売主の負担となります。
誠実に情報を整理して提示すると、買い手からの信頼が高まり、交渉が前向きに進みやすくなるのです。

アパートを売るときは、書類・税金・手続きが多く、ひとりだけで進めると不安が重なりやすくなります。
そこで資産売却の相談や事例確認に心強いのが、次のような各分野の専門家です。
不動産会社
(査定から相場分析、仲介手数料の見積もりまで対応する業者)
税理士
(譲渡所得税の計算や確定申告、節税対策をサポート)
司法書士
(所有権移転登記やローン解除手続き、印紙手数料の対応)
ここからは、売却の流れや方法、手順、注意点を踏まえつつ、安心して進めるために頼れる専門家を詳しく見ていきましょう。
アパート売却の一連の流れをナビし、媒介を担うのは経験豊富な不動産会社です。
売主にとっての総合窓口かつアドバイザーとなる存在で、価格査定から市場動向の提供、販売戦略の立案、買主との交渉、契約実務に至るまで一貫して伴走してくれます。
優秀な担当者であれば、物件の強み・弱みを踏まえて的確な売出価格を提案し、投資家ネットワークを活用して効率的に集客してくれるものです。
特に収益物件の場合、一般の住宅とは異なる利回り計算や、法人物件取引のノウハウが必要になるため、収益物件売買に実績ある会社に依頼することが望ましいです。
仲介業者は宅地建物取引業法に基づき重要事項説明を行い、印紙税や消費税のかかる契約手続きを取り仕切ります。
万一オーナー間や入居者とのトラブルが起きた際にも、不動産会社が仲介し立ち退きや期間などの調整に応えてくれます。
また売却活動中は、サイトの問い合わせ数や市場反応を毎週レポートしてくれるため、報告を元にタイミングや手順を見直して戦略を修正できます。加えて、不動産会社の多くは法律や税務に詳しい士業ネットワークを持っており、必要に応じて専門家を紹介してもらえる利点もあります。
私たち柏市のとよしき不動産は、不動産のプロが税理士や司法書士などと連携し、資産承継の流れから節税対策や相続相談までトータルにサポートします。専門業に依頼すると仲介手数料はかかりますが、その分安心と時間を買えると考え、信頼できる業者をパートナーに選びましょう。
売却による所得や税金の発生が見込まれる場合、不動産税務に詳しい税理士への相談が有益です。税理士は売却前に譲渡所得税の概算をシミュレーションし、節税策の提案や納税資金計画の助言をしてくれます。
たとえば、取得費の洗い出しを手伝い、過去の領収書を基に少しでも取得費を増やす方法や、使える特例(居住用財産の特別控除など該当すれば)の適用可否を検討するなど。
複数物件や他の資産をお持ちの場合は、譲渡損益の通算や翌年以降の税負担予測も行い、売却のタイミングに関するアドバイスを行います。
実際の確定申告書類の作成も依頼すれば、慣れない譲渡所得の申告ミスによる追徴リスクを避けられます。不動産取引では契約時に受け取る手付金や中間金、決済時の残代金など、大きな金額の動きがありますが、税理士に相談すればその年の所得税予定納税の必要性なども教えてもらえるわけです。
特に売却額が数千万円以上になるときは、税理士費用をかけても総合的にプラスになるケースが多いです。
加えて、物件が相続物件であれば相続税の申告調整や、法人所有物件であれば法人税務への影響なども見据える必要があり、専門知識なしに判断するのは危険です。
信頼できる税理士と早めに相談し、税務上も後悔のない売却計画を立てましょう。
売買成立後の所有権移転登記手続きは司法書士の役割です。
特に不動産売却では、買主への所有権移転登記と同時に、売主の抵当権抹消や住所変更登記など付随手続きも発生します。
司法書士は事前に登記簿を精査し、権利関係に問題がないか(例:共有者がいないか、相続登記漏れがないか等)チェック。
もし相続登記が未了だった場合、売却のタイミング前に司法書士の助けで相続人全員の協力を得て所有権を整理する必要があります。
買主の金融機関とのやり取りも司法書士が担うため、決済当日の流れを組み、残代金決済と同時に登記申請できるよう書類を一括で準備してくれます。
売主としては、権利証(登記識別情報)や実印・印鑑証明書、印紙などの必要書類の案内を司法書士から受け取り、不備なく当日を迎えることが重要です。
また、司法書士は不動産の専門法律家でもあるため、契約内容に関して疑問点があれば事前に解説を受けて相談可能です。
たとえば、契約不適合責任の免責条項や特約事項について「この表現で問題ないか」と確認すれば、第三者の視点で注意点をアドバイスしてもらえます。
費用としては、所有権移転や各種登記の登録免許税の計算や手続き代行報酬がかかりますが、司法書士なしでは安全な権利移転はできません。
不動産会社が紹介してくれる司法書士に任せるケースが多いですが、自身で信頼できる方がいれば、指名することもできます。
いずれにせよ、司法書士を活用するメリットは、法的に確実な取引完了を実現することです。
必要書類の準備や質問事項の確認など、取引全体の手順として協力して進めましょう。

アパートの売却は、多くの人にとって大きな決断であり、手続きや税金、入居者への対応など、思ったよりもやることが多くなります。
売却を考えている方は、まずアパートの価値を正しく理解し、適切な価格で売却することが重要です。収益還元法をはじめとする価格決定の方法を理解し、売却価格を左右する要因をしっかりと把握しましょう。
また、売却の流れを把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
売却を成功に導くためには、信頼できる不動産会社や専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。
これにより、売却価格をより高く目指すお手伝いをいたします。
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※本内容は2025年12月時点での情報になります。
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