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店舗付き住宅も売却できる!適正価格の決め方や取るべき流れ

店舗付き住宅(店舗併用住宅)は、自宅と店舗が一体となった独特な不動産です。

一般の住宅に比べ店舗付きの条件が売却のハードルをあげており購入希望者が限られるため「売りにくい」と心配されがちですが、適切な方法を取れば売却可能です。

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家のうち店舗併用住宅は約19.8万戸ありますが、その中で売却用に市場に出ているのは約5,200戸と少数です。これは競合が少ないことを意味し、立地や条件が良ければ買い手が見つかる可能性が高いです。

また、近年の不動産市場は低金利やインフレを背景に、総じて価格上昇傾向。
エリアによっては店舗付き住宅でも高値成約のチャンスがあります。

今回は、店舗付き住宅ならでは売却までの流れと事前確認ポイント、適正価格の見極め方、そして専門家のサポート活用について詳しく解説します。

店舗付き住宅売却の流れ

店舗付き住宅を売却する基本的な手順は、一般的な住宅売却と大きくは変わりません。
ただし、「店舗」と「住宅」の併存ゆえの留意事項があります。

1. 店舗付き住宅物件の現状確認

売却を始める前に、物件の現状を客観的に把握しましょう。

  • 建物の状態と改装の要否:
    構造、築年数、設備を確認。闇雲なリフォームは避けましょう。店舗部分は買主が自由に改装したいケースが多いため、現状有姿で売り出す方が好まれることもあります。

  • 権利関係と法的状況:
    土地・建物の登記簿を確認し、面積や用途表示の整合性、不法な増改築の有無をチェックします。

  • テナント・居住者の状況:
    賃貸借契約の内容(賃料、契約期間など)を把握し、「オーナーチェンジ」(賃貸継続)で売るか、「空渡し」(退去・空室)で売るかを検討します(詳細は後述)。

 

2. 不動産会社との契約と価格設定

物件の状況が把握できたら、売却のパートナー選びと価格設定に進みます。

価格は、高すぎても低すぎても売却成功に影響するため、慎重に決めましょう。
不動産業者の査定価格を参考に、店舗付き住宅ならではの事情も加味して設定しましょう。

  • 専門業者選び:
    店舗付き住宅の売却経験が豊富な不動産会社を選びましょう。店舗物件特有のノウハウを持ち、適切な顧客層(自営業者や投資家)に効率よく販売できます。

  • 媒介契約:
    早期売却を目指すなら、専任媒介など、販売活動に集中してくれる契約形態も検討しましょう。

  • 売却価格の決定:
    業者の査定を参考に、土地の利用価値、建物の状態、居抜きとしての価値を加味して価格を設定します。値下げ交渉を見越し、希望価格を確保するための戦略的な価格設定のコツを解説します。早く現金化したい場合は、不動産会社へ直接買取を依頼する方法も可能ですが、売却価格は相場より低くなる点に注意しましょう。

 

3. 契約、交渉、そして引き渡し【店舗付き住宅売却完了】

購入希望者が現れたら、売主・買主間で売買契約の準備に入ることになります。

契約に先立ち、不動産会社の担当者による重要事項説明が行われ、物件の法的事項や権利関係、設備の状況などが買主に説明される段階です。

  • 契約書の作成と特約事項:
    店舗付き住宅ならではの特約を明記します。

    ◼︎居抜き売却の場合: 残置物リストを作成し、残す設備・什器と撤去するものを明確にします。

    ◼︎オーナーチェンジの場合: 既存の賃貸借契約の引継ぎを明記します。

    ◼︎空渡しの場合: 売主の責任で引渡しまでにテナントや居住者を退去させる条件を定めます。

  • 交渉と条件調整:
    価格だけでなく、引渡し時期やテナント退去に関する条件が主な交渉ポイントとなります。テナントがいる場合、買主が自用するかどうかで対応が大きく変わるため、事前にテナントとの話し合いや立ち退き交渉の必要性を検討しておくべきです。

  • 物件引き渡しと決済:
    決済日に買主から残代金を受領し、司法書士立会いのもと所有権移転登記を行います。引渡し前に、居抜き設備の最終確認や不要品の処分を完了させましょう。

 

4. 売却時の税金や手数料の確認

物件を引き渡した後も、忘れてはならないのが売却に伴う税金や各種費用の清算です。

  • 不動産会社に支払う仲介手数料: 
    法定上限は売買価格の3%+6万円(税別)です。

  • 譲渡所得税:
    不動産売却で利益が出た場合、譲渡益に対して所得税・住民税が課税されます。

  • 居住部分の優遇:
    マイホーム(居住用財産)を売った際には、3,000万円の特別控除など大きな税の優遇措置があります。
    しかし、店舗付き住宅の場合、特例は居住部分に限っての適用。
    たとえば、建物全体のうち住宅部分が70%、店舗部分が30%であれば、譲渡益のうち住宅部分相当の70%についてのみ3,000万円控除などを利用でき、残り30%は事業用資産として課税対象となる点に注意が必要です。 

  • 税率:
    個人の場合、所有期間5年超で長期譲渡所得(20.315%)、5年以下で短期譲渡所得(39.63%)が課税されます(復興特別所得税含む)。

  • その他費用:
    契約印紙代、司法書士報酬、固定資産税の日割精算などが発生します。

 

店舗付き住宅売却前に確認すべきポイント

店舗付き住宅の価値は、その利用形態と法的制限によって大きく左右されます。売却前に以下の5点を必ず確認してください。

1. 建物の用途制限と融資条件

建物の用途(店舗/住宅)の割合が、買主のローン利用に直結します。

  • 面積比率の把握:
    建物全体に占める居住部分の床面積割合を確認します。

  • 住宅ローン利用条件:
    フラット35など、住宅ローンでは居住部分の割合が50%以上といった条件が定められていることが多く、この比率が買主の資金調達の難易度を左右します。

  • 登記上の用途:
    登記簿の建物種類が「居宅兼店舗」など、実態と一致しているか確認しましょう。

 

2. 賃貸契約内容の精査(空渡し vs オーナーチェンジ)

テナントや賃借人がいる場合、売却方法を早期に決定します。

項目

空渡し(買主が自用)

オーナーチェンジ(買主が投資家)

売主の対応

テナントとの契約終了・退去交渉が必要。立退料が発生する場合あり。

既存の賃貸借契約を正確に買主に引き継ぐ。

契約形態

買主が自ら店舗や住居を利用するため、物件を空室で引き渡す。

賃料収入付き物件として売却。投資家にアピールしやすい。

留意点

普通借家契約の場合、オーナー都合の解約は正当事由が必要で、時間と費用がかかるリスクがある。

賃料滞納履歴や苦情履歴など、正確な入居者情報の開示が必須。

 

3. 地域のゾーニング規制と再開発計画

地域の法的な制約と将来性を確認し、潜在的な価値を見極めます。

  • 用途地域の確認:
    都市計画で定められた用途地域(ゾーニング)により、許可される店舗の業種や規模が異なります(例:第一種低層住居専用地域では店舗に厳しい制限)。買主が希望する用途に転用可能かを確認します。

  • 再開発計画の確認:
    自治体の都市計画情報を調べ、再開発や新駅設置計画などがあれば、将来的な物件価値の上昇が見込めます。

 

4. テナント・住居部分の利用実態確認

登記上の用途と実際の利用状況をしっかりと整理することが重要です。登記上の用途は、法的にその物件がどのように使用されるべきかを示しており、住宅部分と店舗部分がどのように区分されているかを明確にします。

  • 実態の確認:

    登記上店舗でも、実際は古家の空き家として倉庫や趣味の部屋にそのまま使っている場合があります。

  • アピール:
    店舗部分を純粋な住宅用途として広く活用できる物件ポイントとしてPRし、売却成功のコツや査定時の注意点を押さえた売却ガイドにすることで、利用実態を踏まえた買主ニーズにマッチさせることが可能です。

 

5. その他の権利関係の確認

抵当権以外にも、不動産に付着する権利上の課題がないかチェックします。

  • 担保権の確認:
    住宅ローン等が残っていれば土地建物に抵当権が設定されていますので、売却代金で完済し抹消する手続きを取る必要があります(抹消登記手続きは司法書士に依頼)。

  • 境界・地役権: 隣地との境界確認、通行地役権の有無、未登記増築部分の有無などを専門家と共に確認し、引渡しまでにクリアにしておきましょう。


他にも、第三者に通行地役権や上下水道の敷設権利を与えていないか、隣地との境界に明確な取り決めがあるか、といった点も確認します。稀に、過去の相続登記が未了で権利者が複数になっていたり、親族間で持分共有になっているケースもあります。その場合、売却には関係者全員の同意・協力が不可欠です。

さらに、店舗付き住宅ならではの権利確認事項として、たとえば、飲食店営業許可の引継ぎ可否や、駐車場用地が他人所有の賃借になっていないかなども見ておきます。ガスや看板設置で隣地を一部借りている場合は、その契約の継続条件なども整理します。

要するに、売却にあたってクリアすべき権利上の課題がないか事前につぶしておくことが重要です。
万一複雑な権利問題(未登記増築部分がある、他人と境界紛争中など)が判明した場合、解決に時間を要するため売却スケジュールに余裕を持たせる必要があります。

 

店舗付き住宅の適正売却価格を見極めるためのポイント

店舗付き住宅を適正な価格で売却するには、多角的な視点で物件の価値を評価することが重要です。
単に希望額を掲げるのではなく、市場で「適正」と受け止められる価格を導くことで、結果的に高値売却や早期売却につながります。以下の視点から価値を評価しましょう。

 

1. 周辺地域の市場動向を調査する

  • 相場観の確認:
    近隣で最近売却された類似物件の事例や、周辺の地価公示価格の推移などを参考に相場観を確認します。

  • 商業環境の把握:
    地域の商業環境の動向を把握することが重要です。

  • 高値の可能性: 周辺で新たな店舗開発やチェーン出店が活発なら、店舗需要が高まっている可能性があります。

  • 低迷の懸念: 逆にシャッター通り化が進んでいるなら、需要低迷が予想されます。

 

2. 店舗付き住宅物件の状態と設備を客観的に評価する

  • 建物の評価:
    築年数だけでなく、居抜きとして使える設備・什器の価値を評価します。

  • 改装の判断:
    建物が老朽化している場合は、土地値中心で価格を考えます。買主のニーズに合わない不要な改装は避けましょう。

 

3. 専門家による売却査定と評価の根拠を確認する

  • 専門業者への依頼:
    店舗付き物件の売却実績が豊富な不動産会社に査定を依頼し、その根拠をしっかり確認します。

  • 複数社比較:
    必要に応じて複数社の意見を聞くことで相場観を養えます。

  • 評価の合理性:
    査定価格だけでなく、「どういう点がプラス評価でマイナス評価か」を各社に聞き、それらの理由に合理性があるか見極めましょう。

 

4. 土地や建物の「利用価値」を考慮する(潜在価値)

現在の用途に縛られず、「将来どう活かせるか」という潜在的な視点も持つべきです。

  • 再建築・建替えの可能性(更地価値):

  • 土地の広さや形状、建築制限上、どんな建物が建てられるか(更地価値)を検討します。

  • たとえば、 角地で人通りの多い立地なら、「テナント複数入居のビルに建替えできる」「駐車場ビジネスにも適す」といった発展が考えられるかもしれません。

  • 逆に 住宅地の中で店舗需要が低い場所なら、「いっそ更地にして一戸建て用地にしたい」と考える買主もいるはずです。

  • 収益性(投資家向け):
    賃料収入と利回りから推測される収益価格。投資家需要にも応えられる物件なら、価格を底支えします。

 

5. 市場の需要・供給バランスを意識する

  • 希少性と顧客層:
    店舗付き住宅は希少性の高い物件ですが、買主の層も限られる点に留意が必要です。

  • 競合物件の分析:
    売却エリアで直近に類似の店舗付き住宅が売りに出ていれば、その成約状況は貴重な参考資料になり、価格設定の精度を高めることが可能です。

  • 売却戦略の判断:
    こうした分析を踏まえ、不動産会社への依頼や仲介の方法を検討し、「強気に攻めるべきか(希少性を武器に高値維持)」「早期売却重視で守りに入るべきか(価格調整)」を判断し、価格設定と販売戦略に反映させることが大切です。

店舗付き住宅の売却をスムーズに進めるために、専門家のサポートを受けよう!

店舗付き住宅の売却は、一般の住宅売却以上に専門知識と経験がものをいいます。不動産取引のプロである専門家のサポートを得ることで、複雑な手続きや価格交渉も、格段にスムーズに進められます。

特に全国的な売買情報に通じ、かつ地域の実情にも詳しい不動産会社の力は不可欠です。
私たちとよしき不動産は、千葉県柏市に本社を置いており、地元に根差した企業です。地域の顧客ネットワークと市場動向に精通しています。

また、税理士や司法書士、建築士といった各分野のプロと連携することで、より充実な体制で売却を進められます。
譲渡所得税の計算や特例適用は税理士に、境界確定や増改築の法規チェックは土地家屋調査士や建築士に、それぞれ相談することでリスクを軽減できます。

プロに任せることで、売主自身は必要な意思決定に集中でき、手間や不安を大きく減らすことができます。
大切な不動産を安心して任せられるパートナーを見つけ、ぜひ積極的にサポートを受けてください。

最終的に、満足のいく売却と新たな一歩へのスムーズな橋渡しにつながるはずです。

※本内容は2025年12月時点での情報になります。

参考/根拠リンク

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2025/12/18

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