
賃貸アパートを所有すると、発生してくるのが「賃貸管理」業務です。
賃貸管理と一言で言っても、その業務内容は多岐にわたっており、自主管理もできますが、大変です。
この記事では、賃貸アパート管理の具体的な業務内容と、2つの管理形態、自主管理・委託管理それぞれのメリット・デメリット、委託管理する場合に委託会社を選ぶ際のポイントを詳しく解説していきます。

賃貸アパート管理の業務内容は、多岐にわたります。
ここでは、以下の3つに分けて見ていきます。
入居者についての管理業務
建物についての管理業務
金銭についての管理業務
それぞれ詳しく見ていきましょう。
入居者についての管理業務には、主に入居前の宣伝・集客と、入居後の契約手続き、家賃の入金確認と滞納者への対応、トラブル・クレームへの対応があります。
入居前の宣伝・集客に関しては、自分でやろうとしても、どこにどのような広告を出したらいいのかわからない場合が多いため、不動産仲介会社に依頼することが多いです。
不動産会社に依頼すれば、契約手続きに関してもサポートしてくれます。
入居後の家賃の集金やトラブル対応は、オーナーの仕事ですが、水漏れや電気・ガス、住民同士のトラブル、家賃滞納などはいつ発生するかわからず、しかも素早い対応を求められるため、難しい業務です。
建物についての管理業務とは、主に建物や設備の維持管理などです
たとえば、建築基準法や消防法に基づく点検が義務付けられており、エレベーターや消防設備などは定期的な点検が必要です。
点検を怠ると、罰則や是正命令を受ける可能性があります。
建物の価値を長期的に維持するためには、メンテナンスが不可欠です。
エントランスや共用部分の清掃、消防設備や水道設備、エレベーターなどの法定点検、庭や屋上に植物があればその剪定などが必要になります。
特に、消防設備は「消防法第17条の3の3」により、定期的な点検と報告が義務付けられています。
また、エレベーターは「建築基準法施行令第129条の12」などにより、年1回以上の定期検査が必要です。
また、長期修繕計画を立て、外壁の塗装や、大規模修繕工事も行い、建物の価値を維持することもあります。
金銭についての管理業務は、入居者から家賃や敷金・礼金、更新料などを集金など。
一般的には、銀行振り込みで集金します。
入金が確認できない場合には入居者に催促を行いますが、法的措置(支払督促や訴訟)を講じる場合は、弁護士の関与が必要です。
家賃滞納が続いた場合は、「民事訴訟法第382条」に基づく支払督促を家庭裁判所に申立てることができます。
これで、訴訟よりも簡易に督促状を送ることができます。
家賃を滞納されると、すぐに法的手段をとるのは難しく、まずは内容証明での通知や、保証会社への連絡を行います。
最近では家賃保証会社を使うことが一般的で、未払いでも一定額の家賃が保証されるケースもあります。
逆に、修繕費などが発生した場合は、オーナーが業者に費用を支払わなければなりません。
賃貸アパートの管理形態には、自主管理と委託管理の2種類があります。
自主管理は、賃貸アパートのオーナーが、自分ですべての業務を行う方式です。
管理を委託する費用がかからないため、コストカットできるだけでなく、家賃や修繕の時期も、オーナーが自由に決められます。
ただし、小規模な賃貸アパート運営であればともかく、大規模なものや複数の物件となると、オーナーが一人で管理するのは難しいと言えます。管理業務は膨大で煩雑なため、業務に追われて、大きな負担を抱えてしまう可能性が高いです。
特に、家賃滞納の督促や、トラブル・クレームに対する対応は、精神的な負担が大きいため、オーナーが一人で抱え込むのは危険です。
たとえば、夜間や休日に対応しなければならないことも多く、仕事や家庭との両立が難しくなることもあります。
加えて、対応の仕方を間違えると入居者とのトラブルが悪化し、裁判に発展する恐れもあるのです。
委託管理は、賃貸アパートの管理業務をすべてまたは一部管理会社に委託する方式です。
すべて委託する場合、入居希望者とのやり取りから、契約、家賃の集金、トラブル・クレーム対応まで、すべて管理会社が行ってくれます。
オーナーは、意思決定をするのが役割です。
入居希望者を入居させるかどうかや、修繕箇所や修繕方法など、管理会社からの報告をもとに決定します。

賃貸アパートを自主管理する場合のメリット・デメリットは、以下の通りです。
自主管理のメリットは、以下の3つです。
委託費用がなく、収益を最大化できる
入居者とコミュニケーションが取りやすい
トラブルの際の業者を自分で自由に選べる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自主管理では、管理会社に管理委託費を支払う必要がないので、収益を最大化することが可能です。
2019年に国土交通省により行われた「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」によると、全体のオーナーのうち「すべて自ら管理している」と回答したのは18.5%。
残り約8割のオーナーは、管理会社に何らかの業務を委託しています。自主管理の場合、家賃収入はすべて自分に入ってきます。
ただし、何かトラブルが起きた場合は、自分が業者に支払いをする必要があります。
自主管理だと、オーナー(大家)として入居者とコミュニケーションが取りやすくなります。
コミュニケーションが得意なオーナーなら、入居者に良い印象を与えることができ、長期的な契約につながる可能性が高いです。
そうすれば、収入も安定するので、コミュニケーションが得意な方にとっては、大きなメリットとなります。
委託管理だと、トラブルが起きた際は管理会社が選定した業者に頼むことになりますが、自主管理だと、オーナーが自分で好きな業者を選ぶことができます。
地元で昔から懇意にしている業者がいる場合や、相場の安い業者を選びたい場合、こだわりのある職人を選びたい場合などは、自主管理の方がメリットがあるでしょう。
自主管理のデメリットは、以下の4つです。
業務に多くの時間と労力を割かれ、常に業務に追われる
クレーム対応・トラブル対応が全部自分に降りかかる
自分で修繕や清掃をしないと資産価値が下がる
資格を取らないと専門的な問題に対応できない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自主管理では、すべての物件や入居者とそれに関わる金銭を自分で全部管理しなければならないため、非常に多くの時間と労力を割かれます。
入居者がいなければ収入がありませんし、入居者が多ければそれだけトラブルやクレームも多くなります。
また、清掃や修繕なども自分で計画的に行わなければなりません。
賃貸管理を本業にしていても、常に業務に追われる状態になることは間違いないでしょう。
賃貸管理業務において一番大変なのがトラブル対応・クレーム対応です。
国交省の219年調査によると、管理会社が対応に苦慮するトラブルの中で最多なのが「借主間や近隣住民との苦情対応」(52.3%)。
次いで「退去時の原状回復に関する協議」(41.9%)が上がっています。
こうしたトラブルは、オーナーが単独で対応するには負担が大きく、対応を誤ると法的トラブルに発展する可能性があります。
水漏れや電気・ガスなど設備のトラブルには、迅速な対応が必要。
入居者同士のトラブルに介入するのも大変です。
また、金銭的なトラブルも起こりがちです。
たとえば、以下のような例が考えられます。
退去する際に修繕費用が敷金で賄いきれなかったのに、追加費用を払ってもらえなかった
家賃を滞納され、督促したが、払う前に夜逃げされてしまった
入居者同士のトラブルが絶えず、次々に退去されてしまった
物件の管理が行き届かないと、それに対するクレームも全部オーナーに向けられることになります。
これらに対応するには、法令や税務などの専門的な知識と、迅速な対応ができる余力が必要です。
建物の資産価値を維持するためには、清掃やメンテナンスを定期的に行い、必要に応じて大規模修繕も実施します。
たとえば、ドアの建付けが悪くて鍵が開かないなどの場合、鍵を付け替えるのはオーナー負担になりますし、入居者の責任でなく窓ガラスが割れたりした場合も、オーナー負担で換えることになります。
建物は、修理やメンテナンスのために、予測以上にお金がかかるものです。
しかし、定期的な清掃や設備の点検を怠ると、建物の老朽化が進み、資産価値が下がったり、新規の入居者がいなくなったりするなどの問題となるため、怠るわけにはいきません。
トラブルやクレームの内容によっては、法令や税務などに関する専門的な知識がないと対応できない場合があります。
たとえば、家賃滞納者への督促の際に「契約違反になるかどうか」の判断をするには、契約書の法的有効性を理解している必要があります。
入居者が契約違反を繰り返す場合、「借地借家法第28条」や「民法第541条」に基づき、契約解除や明渡請求が認められることがあります。
ただし、違反内容や対応状況によって裁判所の判断が分かれるため注意が必要です。
こうした判断ができるようになるのが、資格の強みです。
「宅地建物取引士」や「賃貸不動産経営管理士」などの資格を取っておくことで、賃貸管理業務全般、入居者との契約、建物や設備の点検やメンテナンスにおいて、法的・実務的な知識を得ることが可能です。
これらの資格は、絶対必要なものではないにせよ、取っておいた方が、賃貸管理業務を行う上でスムーズに経営できると言えます。

賃貸アパートを委託管理する場合のメリット・デメリットは、以下の通りです。
委託管理のメリットは、以下の3つです。
業務を一括してすべて任せることができるため、時間と労力が省ける
知識と経験のあるプロに対応してもらえる
自分は遠方に住んでいても所有できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
委託管理の最大のメリットは、上記に挙げたたくさんの業務を、一括してすべて管理会社に任せることができるため、自分の時間と労力を省けることです。
特に、トラブルやクレーム対応、家賃の督促など、精神的に大きな負担がかかる可能性が高い業務も、すべて任せられるのが大きいでしょう。管理をすべて任せられるため、副業としての不動産投資にも向いています。
また、サブリースという方式であれば、オーナーは不動産会社に物件を貸し、不動産会社が入居者に転貸することになるので、賃貸借契約が一つでまとまり、委託管理よりもさらに手間が減ります。
ただし、国土交通省が2019年に公表した「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(管理業者)」によると、サブリース契約では「家賃減額リスク」や「契約内容の不十分な説明」などによるトラブルが多発しているとのこと。
資料からは、「賃料改定の金額をめぐるトラブル」や「近隣トラブルへの対応」が難しいとする管理業者が多数を占めてることがわかります。
契約前に十分な説明がなされていない例も報告されており、契約条件を安易に受け入れるのは危険です。
家賃の固定期間・見直し時期・減額条件など、重要事項は文書で確認し、疑問点は必ず書面で説明を受けましょう。
管理会社に管理を任せるということは、どんなトラブルやクレームにも、知識と経験のあるプロに対応してもらえるということでもあります。
たとえば、契約違反が起きたり、家賃滞納があったり、入居者同士のトラブルが裁判沙汰にまで発展したとしても、法令や税務などの知識と経験のあるプロに対応してもらえることは、大きな安心です。
自分に賃貸管理の知識があまりなくても管理業務に支障がないため、初心者や副業の方にも向いています。
また、サブリースの場合であれば、家賃滞納や空室がある時でも、決められた賃料が払われるため、収入が安定することや、入居者との契約や解約の時もプロに対応してもらえるので、面倒ごとに巻き込まれることが少ないこともメリットです。
委託管理にすると、入居者とのやり取りなどもすべて管理会社にやってもらえるため、自分は遠方に住んでいても、賃貸物件を所有することができます。また、複数の物件にも対応してもらえる為、将来的に家賃収入を本業にしたい不動産投資家にも向いているといえます。
委託管理のデメリットは、以下の3つです。
委託費用がかかるため、収益が減る
トラブルが起きた時の業者を選ぶことができない
物件の状況がわかりにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
一番大きなデメリットは、委託費用がかかることです。
管理会社の委託費用の相場は、賃料の3〜6%ほど、サブリースでは10〜20%ほどとなっています。
たとえば、毎月100万円の家賃収入がある場合、月3〜6万円から10〜20万円の委託費用がかかることになります。
つまり、自主管理よりも実質的な収益が減ってしまうのです。
通常の委託管理では入居者対応や設備点検が主な業務ですが、サブリースの場合は空室リスクを管理会社が負担するため、その分費用が高くなるのです。
ほかにも、たとえば苦情対応・原状回復・契約更新などの主要業務は80%超の管理会社が対応しているとされます。
このように、物件の管理や空室対策、トラブル対応などをきちんと代行してくれる信頼できる管理会社であれば、賃料収入が増える可能性もあるため、管理委託費以上のメリットになることもあります。
たとえば、水漏れや電気・ガスなどのトラブルが起きた場合、自主管理ならば自分の好きな業者に頼めますが、委託管理の場合、管理会社が業者を選ぶため、自分では選ぶことができません。
そのため、きちんとした管理会社でない場合、相場が高い業者に頼まれて、予想以上の請求が来る可能性もあります。
委託管理は、すべての業務を管理会社任せにしてしまうため、物件が今どうなっているのかわかりにくい状況になります。
特に、遠方の物件の場合、もし管理会社が手を抜いていても、オーナーにはわかりにくいため、ずさんな管理をされる可能性も否定できません。

賃貸アパートの管理形態と、自主管理・委託管理それぞれのメリット・デメリットを見てきました。
賃貸アパートの管理業務は、多岐にわたり、また専門的な知識も要するため、すでに知識と経験のある方でない限り、管理会社に委託した方が楽で安心できると言えます。
ただし、デメリットで挙げたような、不適切な管理をする管理会社もなくはないので、管理会社を選ぶ際には、必ず複数の管理会社を比較検討すべきであると言えます。
委託した方がメリットが大きくなるような信頼できる管理会社を選ぶためには、いくつかポイントがあります。
信頼できる管理会社を選ぶポイントは、以下の5つです。
どこまでの業務を委託できるか
対応が丁寧で素早いか
集客力が強いか
委託費用は適正か
業務の報告・相談・提案をマメにしてくれるか
以下からそれぞれ、詳しく見ていきましょう。
管理会社によって、管理業務に幅がある場合があります。
たとえば、A社はトラブルやクレームに24時間いつでも対応してくれるのに対し、B社は平日の業務時間内しか対応しないなどです。
また、管理会社によっては、入居者の募集や、入居の際の契約などを行わない会社もあります。
物件の維持管理だけを委託したい場合は、これでもいいかもしれませんが、入居者の募集から退去後のことまで一括で任せたい場合は、不動産仲介業務も行っている管理会社を選ぶと良いでしょう。
問い合わせや連絡が丁寧で素早い会社は、トラブルやクレームにも同じように対応してくれるでしょう。
しかし、連絡が遅い会社は、トラブルやクレームにも対応が遅れる可能性があります。
たとえば、水漏れなどがあった場合、対応が遅れると、物件が水浸しになってしまうかもしれません。
また、担当者が態度が悪いと感じたら、入居者にも悪印象を持たれる可能性が高いです。
自分が満足のいく対応をしてくれる管理会社を選びましょう。
管理会社に集客力があるかないかで、空室リスクが違ってきます。
集客力が強ければ、空室が減って、家賃収入が安定するでしょう。集客力が強い会社は、ホームページやSNSなどに写真を多く掲載している、店舗のアクセスが良い、取り扱う物件数が多いなどの特徴があります。
委託費用が高すぎると収益が減りますし、安すぎると管理がずさんな場合があります。
安定した賃貸経営のためには、適正な費用で、適正な管理を行う会社を選ぶことが重要です。適正な会社を選ぶためには、必ず複数の会社を比較検討するようにしましょう。
管理業務をすべて任せるなら、物件の現状やトラブルの報告・相談、空室対策や入居者募集の提案などをマメに行ってくれる会社を選ぶと良いでしょう。
たとえば、業務内容について、月1回の管理レポート提出、空室が出た際は翌営業日中の報告など、報告の頻度やスピードが明記されていると、信頼度が高まります。
こうした作業をマメに行ってもらうことで、オーナー側も安心して任せることができます。
ここまで、賃貸アパートの管理業務、管理形態、自主管理と委託管理のメリット・デメリット、管理会社を選ぶ際のポイントを解説してきました。自分にとって適切な管理方法を選ぶには、さまざまなポイントを比較検討する必要があります。
東葛地域で委託管理を考えている方は、地域密着型のとよしき不動産がおすすめです。
とよしき不動産は、駅前に店舗があってアクセスしやすく、空室を液晶モニターで優先的に紹介するなど、空室対策も万全です。
また、相続対策や収益不動産のコンサルティング部門もあるため、オーナーにとって最適な不動産管理を提案できます。
東葛地域で賃貸アパートの委託管理を考えている方は、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

コラム一覧へ
株式会社豊四季不動産 本社
〒277-0862
千葉県柏市篠籠田1400-13
とよしき不動産 柏支店
〒277-0005
千葉県柏市柏2-2-2 浅野ビル4F
とよしき不動産 豊四季駅前店
〒277-0863
千葉県柏市豊四季159-3
とよしき不動産 東京支店
〒101-0024
東京都千代田区神田和泉町1-7-2
S-Glanz AKIHABARA 5F
Copyright © とよしき不動産 All Rights Reserved.